ポンティアック中学生使節団の記事が、「オークランドプレス」に掲載

平成29年度草津市国際交流事業”Leaning as one”について、ミシガン州オークランド郡のデジタル新聞「オークランドプレス」で紹介されました!

下記リンクをご覧ください。

http://www.theoaklandpress.com/general-news/20171206/how-10-days-in-japan-changed-the-lives-of-11-pontiac-students

以下、記事の翻訳です。

日本での10日間が、どうやって11名のポンティアックの中学生の人生を変えたのか

オークランド新聞 Natalie Broda記者
2017年12月6日(水)
この秋、ポンティアック市から11人の中学生が日本へ行き、そして10代の若者である彼らの人生が変わるような体験をした。

10月下旬、ポンティアック中学から5名、そしてポンティアック国際技術アカデミーから6名の中学生が彼らの引率者とともに滋賀県草津市へと渡り、10日間のホームステイを通して日本人の生活や日本の文化に浸った。

彼らは神社を訪れたり、グループに分かれてそれぞれ別の中学校で授業を受けたり、藍染めなど伝統的な活動にも挑戦したりした。
だが、彼らに大きなインパクトを与えたものは、「日本で見たもの」ではなく、「日本の人々との交流を通して体験したもの」だった。

想像を超える思いやりの心

「わたしがいつも思い出すことのひとつは、日本の人たちの思いやりの心です。ここアメリカでは、思いやりにふれることがあまりありません。」リニスベス・コットーマルダナド(国際技術アカデミー・13歳)は言った。「私が日本人のことを特別だと感じたのは、彼らが思いやりの心を持っているからです。もし、あなたがホームレスだったとしましょう。きっと日本の人たちははあなたに思いやりを持って接してくれることでしょう。でもアメリカの多くの人は思いやりの心からではなく、自己満足のために良いことをしているのです。」

コットーマルダナドとレイチェル・マトス(ポンティアック中学・13歳)は、小さいころにホームレスと貧困を少しの間だが経験したことがある。時に貧困は、同年代の子供たちから仲間はずれにされるきっかけにもなりうるものだ。
だが、二人は口をそろえて言った。いじめは世界のどこででもおこることではないと知ることができてよかったと。
「こっち(アメリカ)では、容姿がかわいくなかったり、人気のブランド品をもっていなかったらみんなと友達になれません。だけど、日本では、安物の靴を履いていたとしても、友達のままなのです。」とコット―マルダナドが言うと、マトスも日本では意地悪な行動を見なかったと言った。

「私のホストファミリーはとても思いやりがあって、寛大な人たちでした。たとえば、私のホストファミリーのおばあちゃんは、私が食事を食べ終わるまで席を離れずに待ってくれました。このことを思い出すと、涙が出そうになります。」マトスは言った。

レファーニー・チッペン(ポンティアック中学・14歳)も、「彼女が日本で体験した『思いやり』は自分を変えた」、「こちらでは、何かと評価をしたがる人が多く、どこのブランドの服を着ているかということを気にしてばかりで、その人自身がどのような経験をした人なのかなど内面を深く見ようとしないのです。」と続けた。

カニエ・アンダーソン(国際技術アカデミー・13歳)はチッペンの意見にうなづくと、「一番重要なことは文化それ自体です。文化にはとても多様性があり、もちろん、私たちの文化とも違うものです。そして、彼らはとても愛のある、丁寧で親切な、寛大な人たちです。」と言い、さらに「日本では人種差別がないように見えました」と続けた。

大きく広い世界

今回の旅で、二番目に彼らに衝撃を与えたものは、海外に行くとみんなそうかもしれないが、外国の人たちがどのような暮らしをしているかということに目を向けることができたということだ。

生徒たちによると、日本の道路はきれいで空き缶が落ちているということはなかったそうだ。

また、日本の若者たちはアメリカの若者よりテクノロジー機器への依存が少ないそうだ。

日本では、毎日放課後に用務員ではなく生徒が学校を掃除し、伝統的家族(*1)が多世代型住宅に暮らし、またポンティアックの生徒たちが驚いたことには、学校の歴史の授業では日本史だけを教えているのではないそうだ。

アメリカ合衆国のたいていの公立校では、歴史の授業の内容はアメリカの歴史に偏っている。
「もし、私たちみたいに若い世代が、アメリカばかりじゃなく、世界のことを学びたいと思ったらどうなるだろう?」コットー・マルダナドが言った。

みんなの力で

今回の草津訪問のために、約3万300ドルという費用が地域の寄付で集まった。ポンティアック学校区国際留学委員会は、学校区教育委員会の一般会計の予算には余裕がなかったので、その資金を使うことはできなかった。

日本滞在中にかかるすべての費用は草津市が負担した。子供たちの航空運賃は、日本企業の日立が準備した。

来年、ミシガン州と滋賀県の姉妹州県は50周年を迎える。また、オークランド郡で中学生の交換留学プログラムを行ったのはポンティアック学校教育区だけである。

「たとえ経済的に苦しくても、彼らには何の問題もなく、それどころかすばらしい子供たちだということが注目すべきことです。彼らから、私が目を見張るようなことをたくさん聞きました。」そう語るのは、ポンティアック学校区教育委員会の教育長、ブレンダ・カーター氏だ。
カーター氏によれば、国際留学委員会ではウエイン大学と組んで、6名の学生を日本から招待する計画をしているそうだ。

コット―・マルダナルドは「全部夢みたいで、時間がたつのが早いように感じた」と言う。
生徒たちはポンティアック中学の図書館の丸テーブルを囲みながら、今回のプロジェクトを通して参加メンバーの間にうまれた深いつながりを思い返していた。

「通う学校が違っているからこそ、このつながりはとても強い。もし、みんなと出会えてなかったら、今、こんな風に友達になれなてかった。彼らと出会えて本当に良かった」とチッペンが言った。

インタビューに答えてくれた4人は、お互いに写真を見せ合ったりホストファミリーの話をしたりして、楽しそうな声や笑い声が響き渡った。

「今では、みんな一つの家族です」コットー・マルダナルドが言った。

ポンティアック中学のメンバー:ジャスミン・ヘンズラー、ケイデン・ハミルトン、レファーニー・チッペン、ロズリン・リード
国際技術アカデミーのメンバー:デイヴィオン・マックギー、ジャサーニ・カンポベルデ、リニスベス・コットーマルダナド、ザナリア・ウェア、シンシア・ソリス・ダヴィラ、カニエ・アンダーソン

*1:伝統的家族とは、離婚経験のない両親と子供の世帯を指す。アメリカでは伝統的家族の割合が40%程度であるという調査もある。